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2019.9.5 ブログ

社会福祉法⼈ふれ愛名古屋 視察報告

視察⽇:2019年8⽉28⽇
報告者:北村、室、倉⽯

1.事業概要

(1)ふれ愛名古屋

  • ●障害児を抱えた⺟親が⼦どもを預ける場所がなく困っていたところ、鈴⽊理事⻑の「なければ創れば いい」の発想でふれ愛名古屋をスタートさせる。理念を「重症⼼⾝障がい児者の笑顔と未来を創る」 と掲げているように、親の⽴場に⽴ち、⼦どもの幸せを⼀番に考えるという想いがこの事業に込め られている。
  • ●名古屋市内に複数の事業所があり、平成31年3⽉には家族⽀援拠点ふきあげが開設され、重度障害 者⽣活介護、重症⾃者短期⼊所、⼩児在宅クリニックの事業を展開している。
    事業内容:児童発達⽀援(未就学児)、放課後等デイサービス(就学時)、⽣活介護(18歳以上)、移動 ⽀援、居宅介護、重度訪問介護、相談⽀援、診療所、医療型短期所
  • ●ふれ愛名古屋グループの利⽤者176⼈(H31.3.31)の医療的ケアの種類は、最多が喀痰吸引、次いで 胃ろう、気管切開、酸素吸⼊、経⿐経管栄養、⼈⼝呼吸器、導尿の順となっている。重症児者のなか でも最も重い⼈たちを受け⼊れるようにしているという。
  • ●これから課題になるのは、親の⾼齢化と⼦どもの医療的ケア度の⾼度化であり、ふれ愛名古屋は親の 不在を想定した医療的ケア児の居場所を提供している。
  • ●ふきあげ、⽣活介護(deji)、放課後等デイサービス(dona)、放課後等デイサービス(miki)、児童発逹 ⽀援(mini)の事業所⾒学から学んだこと。

    • ・スタッフのユニフォームがないことや建物の内装など、いずれの施設も家庭的な雰囲気だった
    • ・送迎を⾏うことで保護者の負担が軽減、医療的ケア児の送迎には看護師も同⾏し安全に⾏っていた
    • ・スタッフの⼦どもをボランティアで預かることで、スタッフにとっても安⼼であり障害のある児もな い児も⼀緒に楽しく過ごせる環境となっていた
    • ・訪問診療を⾏う事業所は⾼速道路の⼊⼝に近いところに設置、デイサービスは特別⽀援学校の近くに 設置とそれぞれの事業所の⽬的に合わせて設置場所が考えられていた
    • ・基本的に、児とスタッフはマンツーマンで対応している
    • ・利⽤児者たちは完全な⺟⼦分離を経験でき、⺟⼦両者にとって良い ・⼟⽇の利⽤も可能

(2)全国重症児者デイサービス・ネットワーク

  • ●ふれ愛名古屋は全国重症児者デイサービス・ネットワークの事務局も兼ねている。平成26年にネットワークが発⾜し、当時は約30の加盟団体が現在では約300まで増え、⽇本全国に加盟団体がある。加盟団体の代表の多くが障害児を抱えた⺟親であるところが特徴的である。鈴⽊理事⻑は「⺟親だからこそ⼦どもの幸せと未来を考えることができる」と話していた。ネットワークでは、会費はあるが加盟団体に対して無償で事業所経営のノウハウを教えている。利益を求めず無償で情報を提供している点にこのネットワーク拡⼤の秘密があり、各事業所同⼠の横の繋がりも強いそうだ。
  • ●ネットワークでは、全国研修や全国⼤会も企画している。全国研修では、重症児デイサービス・⽀援者向けに⽀援に必要な知識や技術の講習を⾏っており、2018年の全国研修では約1000名の参加があった。全国⼤会では、⾏政や政治家も巻き込みシンポジウムやパネルディスカッションを予定している。
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