上記学術講演会において「親の会について」というテーマで20分間講演致しました。
文:林伸彦(代表理事)
開催日時:2015年5月30日
開催場所:公津の杜コミュニティセンター
参加者:主に千葉県内で勤務する、産科医・新生児医・小児科医・看護師・助産師等 約100名
上記研究会は、千葉県内で定期的に開催される、周産期医療に関わる者同士の意見交換の場です。
最近の胎児診断のこと、母体搬送システムのこと、新生児蘇生法講習会普及事業について、などが議題でした。その中で、指定発言として、当団体の活動について報告とアンケート調査を行いました。
問題提起
- ・産む産まないを決める場面に立ち会う者として、「病気のリアル」を知る責任があること
- ・そのためには家族会との繋がりが非常に重要であること
- ・周産期に関わる者と家族会とのつながりは薄く、日常生活について知識不足であること
を問題提起いたしました。
さらに、生まれつきの病気には様々な疾患があるにもかかわらず「出生前診断=ダウン症検査」とされかねない現状について疑問を投げかけました。
- ・ダウン症以外は気にならないのか?
- ・障がいの本質はなにか?
- ・産みたくないのか?それとも、産みたいが産み育てにくい社会環境なのか?
- ・伝え方や、サポート体制を変えることで、産み育てやすい環境になるのか?
という疑問です。
- ①これらの疑問を解決する仕組みとして、
- ②妊婦さんや社会に「病気のリアル」を伝える仕組みとして、
- ③患者の想いを社会へ発信する仕組みとして、
- ④家族の困っていること社会が把握するシステムとして、
- ⑤社会が困りごとを持っている家族をすぐに検知する仕組みとして、
オンラインピアサポートシステムを提案いたしました。
最後に、アンサーパッドを利用して、参加者の意見を集計しました。
当団体が準備しているオンラインピアサポートシステムについて、妊婦さんやそのご家族だけではなく、医療者も必要としているシステムであると感じました。それと同時に、顔も見ない相手と命にかかわる大切な話をする仕組みでいいのか?という疑問も上がりました。
また、母体保護法では胎児異常を原因とする人工妊娠中絶は違法であるにもかかわらず、少なくとも当日参加した周産期医療者の多くが、母胎いずれの理由でも人工妊娠中絶を許容していいのではないかと感じていることがわかりました。
限られた時間のなかで、小さな命と向かい合うために、より良いシステムを作りたいと改めて感じました。
当団体では常に意見を求めています。
ご協力いただける方は、以下のリンクからご意見投稿可能です。
一人でも多くのご意見をお待ちしております。