The Fetal Medicine Centre (FMC) 訪問

訪問日時:2018年10月24日

文:對馬朱香(助産師)

現在、当法人代表理事の林が勤務しているThe Fetal Medicine Centre(FMC)のクリニック見学に行きました。こちらは国営のものではなく、自費診療を行なっているクリニックです。

参考:国営NHS病院訪問のレポートはこちら

ロンドンの綺麗な街並みの中にある、1軒のビルの中にそのクリニックはありました。中はとても綺麗で、エステサロンのような、博物館のような雰囲気がありました。子どもたちのためにおもちゃや絵本が置いている場所もあり、子どもと一緒にでも受診しやすい環境が整えられていました。

FMCでは胎児診療を行なっており、当法人代表理事の林が診察をしている様子を見学しました。日本で通常の妊婦健診の時に行う超音波検査は、胎児の成長を診ることがメインで、胎児の全身をくまなく診るということは行なっていません。

一方、FMCで行う健診では、胎児の頭から足の指先まで全身を診ます。とても時間がかかるのでは、と予想していましたが、赤ちゃんの向きが健診するのに問題なく、特に何も異常が見つからない場合は20分程度で終了することを知りました。素早く正確なエコー技術は信頼感があり、丁寧でユーモアのある説明で始終和やかな雰囲気の診察でした。

何か異常が見つかった場合は、絨毛検査や羊水検査などの確定診断をするための方法や、中絶についてなどの説明が、院長であるニコライデス教授からされていました。教授は、穏やかで優しく信頼できる態度とスキルで、カップルの気持ちや意思を尊重できるような説明をしていました。

胎児の異常が指摘された人は、すぐに決断して検査を受ける人、戸惑って時間を必要とする人、一度家に帰ってパートナーと話をしたい人などさまざまでした。エコー検査を受ける前に、この検査の目的について十分な説明を聞いていたり、エコー検査の受診が義務付けられていたりすることが影響しているかもしれませんが、「まさか自分が……」と思うであろう状況にもかかわらず、短時間で決断した人がいたことは少し驚きでした。

絨毛検査や羊水検査はエコー検査をしていた部屋と同じ場所で、大掛かりな設備も必要なく、ほんの5分程度で行われていました。検査を受けた人は終わった後もすぐに自宅へ帰ることができるので、検査を受けることへのハードルが気持ち的に少し軽減されるように感じました。

また、検査を受けるクライエントは、自分の状況についてよく勉強している様子で、医療者でないとなかなか馴染みのないような言葉も知っており、これもまた驚くものでした。赤ちゃんのことについてや検査結果などのレポートは、全て妊婦自身に渡され、彼女たち自身が保管しているようです。

日本では他の病院を受診するとき、医師が書いた紹介状を病院に持って行きますが、イギリスでは自分で保管しているレポートを持って直接行く、という仕組みでした。自分自身の状態や胎児のことを、妊婦自身がより理解しやすい環境であると思いました。

また、1回あたりの診察時間は30分で、医師としっかり話せる時間が確保されていることや、他に質問がないかを何度か確認され、聞きたいことが聞ける環境というのも、自分と赤ちゃんの状態を把握する上で大事なことだと感じました。

日本に帰ってから助産師として働く上で、大切なことを学んだ1日でした。