NPO法人親子の未来を支える会

「親子の未来を支える会」は、胎児診断を受けた人たちの心的・社会的サポートを行うために結成された、医師、患者家族、エンジニアらのチームです。(NPO法人)

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2018年度活動報告会&胎児ホットライン設立説明会

平成31年3月30日、2018年度親子の未来を支える会の活動報告を兼ねて、現在クラウドファンディングに挑戦中の「胎児ホットライン」設立説明会を開催しました。当日は、50名ほどの方々に参加していただき、幸い、報道関係者の方にも興味を持ってもらうことができ、10名弱の報道関係者もお集まりいただきました。当時の内容に簡単にご紹介します。最初に、私たちの課題意識や現在の活動内容についてを説明しました。2019年度は、主に昨年から進めている医療的ケア児のサポート事業に、赤い羽根福祉基金から550万円の助成金をいただくことができたので、そのご報告もしました。その後、胎児ホットラインについての説明に。私たちは、胎児ホットラインを通して、おなかの中の赤ちゃんに病気や障がいが見つかったとき、妊婦さんがその新しい命に向き合えるような環境づくりをしていきます。電話やLien窓口は、ただ寄り添って話を聞くものではありません。意思決定の過程のどこにいるのか、情報は十分なのか、などを整理する役割を担うことができると考えています。また、わたしたちは中立的なサポートを目指していますが、それはどっちつかずの情報提供をすることではなく、色々な選択肢の先にある未来を見えるような仕組みを作る事だと思っています。そしてどんな選択をしてもその選択を支えることが大事であることーーーでもそれがものすごく難しいこと、それらをお話しました。具体的な事例検討などはしていないので、抽象的でわかりにくい面もあったかと思いますが、当事者になったことのある方々からは、こんな場所が当時あったらどんなによかったことか・・と熱い応援メッセージもいただきました。後半は、当法人のメンバー数名がイギリスのARC(出生前検査前後の意思決定を支援するチャリティ団体)で受けた研修の一部を、プチ・ワークショップとして参加者のみなさまにも体験してもらいました。相手の気持ちを尊重すること、意思決定がいかに難しいかを感じてもらえたのではないでしょうか。現在も引き続き胎児ホットライン開設のためのクラウドファンディングを継続しています。今年度の活動報告でも大きな進展をご報告できるよう、引き続きメンバー一同で活動を加速していきたいと思います。(文責:北森 悦)

胎児ホットライン設立説明会のお知らせ

1人で悩まないために~おなかの赤ちゃんの病気や障がいがわかったときに妊婦さんやご家族をサポート~参加お申し込みはこちら◼︎概要NPO法人「親子の未来を支える会」が赤ちゃんに病気や障がいがあった時に特化した、妊婦さんやそのご家族を支える仕組み「胎児ホットライン」設立の説明会を開催いたします。◼︎内容出生前検査や妊婦健診で赤ちゃんの異常が見つかり、周りに相談できずに独りで悩んでいる妊婦さんが大勢います。私たちは当法人代表の「誰にも相談できなかったり、家族間で意見が分かれたりして孤立する妊婦さんは少なくない。そういう人たちを支えたい」という想いのもと、妊婦さんやご家族のサポートをするための第三者機関を2020年中に開設します。説明会では、「胎児ホットライン」設立の経緯、モデルとなったイギリスの電話相談機関「Antenatal Results and Choices (ARC)」での研修報告、「胎児ホットライン」の備える4つの機能、READYFORでのクラウドファンディング、についてご説明いたします。会の後半では当事者の方々や、参加者の皆様を交えたディスカッションを予定しています。ご興味にある方はお申し込みの上、ぜひご参加ください。■活動報告会&胎児ホットライン設立説明会〜なぜ今、妊婦のサポートが必要なのか〜・日時:2019年3月30日(土) 13:30~16:50(開場13:10~)・場所:江東区深川江戸資料館 地下一階 レクホール・定員:120名(先着)・参加費:お申し込みはこちら ※無料 要申し込み◼︎懇親会のご案内・懇親会場所:調整中・懇親会定員:30名(先着)・懇親会費:実費【タイムライン】1. FaB2018年度活動報告2. FaB「胎児ホットライン」設立説明会 ・「胎児ホットライン」設立経緯・Antenatal Results and Choices(ARC)研修報告ー全妊婦に出生前検査が無料提供される英国におけるカウンセリング体制の紹介ー「胎児ホットライン」の備える4つの機能・READYFORでのクラウドファンディングについて・質疑応答3. 交流会4. 懇親会(ご希望者のみ)【お問合せ】特定非営利活動法人 親子の未来を支える会E-Mail:こちらをクリックしてください。主催:特定非営利活動法人 親子の未来を支える会※肖像権について記録・広報等のため、イベントの写真撮影・録画・録音を行います。また、マスコミ等の取材が入る可能性もあります。NPO法人親子の未来を支える会の会報やホームページにイベント当日の写真等を掲載させていただく可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

king’s College Hospital訪問

文責:對馬 朱香昨年12月、妊娠初期と中期の胎児健診と胎児治療を見学しました。私事ですが、私は今、ガーナで助産師として活動しています。ガーナで妊娠初期に行うおなかの触診では、子宮はほぼ触れず、トラウベと呼ばれる装置を使っても、赤ちゃんの心臓の音は聞こえません。妊婦さんたちも、まだ胎動を感じることはありません。このような妊娠初期でも、イギリスではエコー画像で、赤ちゃんの手足の指までをも見ることができます。可愛さを感じるとともに、この時期にほとんどの先天性の異常が分かることは、とても不思議な感覚でした。 見学中、臍帯の血管に異常の可能性があるケースが見つかりました。が、コンサルタントに診てもらうと、「今の時点では心配することも、できることもないので、次の中期の健診の時にまた診てみましょう」、という説明がされていました。この頃はまだ、10cmにも満たない小さな小さな赤ちゃん。その赤ちゃんとママをつなぐ細い細い臍帯までもが、しっかりと診れること、診ていることに驚かされました。今回のケースでは、経過観察でもよい状態でしたが、もし赤ちゃんに何か治療が必要な場合、適切な時期に治療を受けられて、赤ちゃんの命を救えることは、胎児健診の大きな意義の1つだと感じました。また日本では妊娠期間中、内診台に乗って行う経膣エコーを数回行いますが、女性にとっては、あまり気分の良いものではありません。イギリスの妊娠期間中のエコー検査は、妊娠中期の健診でたった1回だけ、それも内診台に乗る必要はなく、それまでエコーを受けていたベッドで行われます。女性にとって、妊婦健診で苦痛となるものが最小限で済むことは、とても良いことだと思いました。胎児健診は、基本的に2人体制で、1人が診察をしている間に、もう1人が問診や計測値の評価を行っていました。妊娠歴や月経のサイクル、内服している薬やサプリメントのほかに、妊娠方法や妊婦さんの両親の出身地、家族に糖尿病や遺伝性の病気を持った人がいるか、などを聞きます。これにより、妊娠糖尿病や妊娠高血圧腎症など、母親の合併症発症の可能性や、妊娠後期に子宮内胎児発育不全が起こる可能性を評価しています。ちなみに、多くの妊婦さんはパートナーと一緒に受診していました。パートナーが同席している中での問診よりも、個別で聞いた方が、より妊婦さんのプライバシーに配慮でき、正確な情報が得られるのではないかと感じました。胎児治療では、胸水で心臓が押しつぶされてしまっている赤ちゃんに、シャント術と呼ばれる、胸水を羊水腔に出す治療を見学しました。素人目でも、治療前は心臓が圧迫されているのが明らかでしたが、治療後は心臓が正常なサイズで元気に拍動しているのがわかりました。他にも、双子へ供給される血液のバランスがよくない時に行うレーザー治療を見学しました。胎児鏡と呼ばれる装置を使っての治療で、お腹の中の様子が映し出された状態から、吻合血管と呼ばれる血液供給のアンバランスの原因になっている血管を焼灼していました。胎児鏡の映像では、羊水にプカプカ浮かぶ胎児の足の指や羊膜が見え、胎児がヒトとしてしっかり成長していることに感動しました。一方で、お腹の中で生きている赤ちゃんをカメラ越しに見えることに驚き、不思議な気持ちになりました。色々な感情が混ざり合いましたが、かつては手を出せなかった領域に医療が入り込めるようになったことをポジティブな感情で捉えられたように思います。 見学中、海外から治療を受けにくる妊婦さんが、飛行機の遅延で治療開始が夜中になる、という状況にも遭遇しました。「胎児が緊急を要する状態かもしれないけれど、来て診察してみないと分からない。だから夜中でも診察をして必要ならばすぐに治療をする」と、ニコライデス教授は言っていました。胎児治療を行う医師たちの「救いたい」という強い気持ちに目頭も胸も熱くなりました。 ところで、前回と今回とで、何名かのフェローと話しましたが、林について、このように語っていました。「Dr.ノブの診察は、他のフェローと比べても群を抜いて素晴らしいものだ。まずは、カップルを落ち着かせ安心させる雰囲気づくりができている。それは診察室に入って来た瞬間とその後のカップルの表情の違いから明らかだ。Drノブは健診中、診た情報を妊婦さんにいつも丁寧に伝えていて、『赤ちゃんは元気かな?』と心配し、赤ちゃんの健康を願う家族にとって、安心できる。暗くシーンとした部屋で、長時間横になってお腹を出して診察を受ける妊婦さんにとって、Dr.ノブと話す時間は、楽しく穏やかで幸せな時間になっていると思う。たとえ赤ちゃんに何かが見つかったとしても、ひとつひとつ丁寧に診てくれていると感じる医師からの説明は、耳に入りやすいはずだ。目を見て向き合って、分かりやすい言葉で丁寧に伝えることは、簡単なようで難しい。これをDr.ノブは、たんとやってのける。妊婦さんたちは帰り際、Dr.ノブに握手やハグを求めている。診察のわずか数十分で、これだけの信頼を得られるのは、本当にすごい。他のフェローの診察のときには、このような光景は見たことがない。私たちもDr.ノブのような人になりたい」みんなが口をそろえてほめ称えていました。妊婦さんたち家族からだけではなく、同僚たちからの信頼もあつく、尊敬され愛されていることを感じました。世界中の人から認められ愛される医師と出会え、また日本で一緒に活動できることをとても幸福に感じました。後日談ですが、異国の地でのコミュニケーションについて林はこんなことを言ってました。「イギリスで診療を始めて最初の2ヶ月くらいは、アジア人差別があるのかと思ってました。最初にHelloと言って自己紹介をしただけで、他の医者に替えてくれと言われることも日々ありました。でも徐々に英語が話せるようになって、知識も技術もついてくると、診察中の短い時間に信頼関係を築けるようになった気がします。次回も指名したいから外来日を教えて欲しいと頻繁に言われるようになったし、お産後に赤ちゃんを見せにわざわざ病院に来てくれたり、インターネット上で高評価されているのをみたり、留学開始当初じゃ考えられないほどに受け入れてくれたように感じました。面白いのは、3年前に会った妊婦さんも1年前に会った妊婦さんも、 ”はじめまして” の関係であるということ。Helloの時点で懐疑的な目になられてたのは、人種差別じゃなくて、Helloの発音がおかしかったり、そのときに自信なさそうな表情をしてたからなのかな、と今は思います。医学だけじゃなくて色々なことを学ぶ留学でした」