日本胎児治療学会 ①

当NPOで準備中のオンラインピアサポートシステムについて、

第13回日本胎児治療学会学術集会で発表してきました。

文:林伸彦(代表理事)

開催日時:2015年11月21-22日

主催:日本胎児治療学会 http://fetus.umin.jp

参加者:医師・看護師・医学生等

<日本胎児治療学会について>

The Fetus as a Patient(胎児は患者として扱われるべきである)という考えに基づいて2003年に設立した学会です。胎児治療の認知を国内で普及させようと活動されている医療者が多く集まっています。

胎児治療のためには胎児診断が必要となりますが、診断後に必ずしも治療を選択するわけでなく、様々な悩みや葛藤の後に、答えをだします。そのため、当NPOで行っている「胎児診断後のピアサポートの仕組み」を発表するには最適な学会だと考え発表しました。


<発表の概要>

〜活動にいたるまでに感じたこと(現状のまとめ)〜

1) 日本では、胎児異常による人工妊娠中絶は認められていない。

2) しかし現実には、胎児に病気や障がいの可能性が見つかった場合、妊婦さんとその家族は妊娠継続するか否かの選択をしていることも多い。

3) 障がいを持つ可能性のある子を産めないと考える患者・家族がいる一方で、どのような障がいがあっても産みたいと考える家族ももちろんいる。

4)「同じような病気の子を育てている方に会いたい」と御願いされることがあるが、個人情報の問題などでなかなか紹介できていない。

5) 社会福祉制度が様々あるにもかかわらず、限られた時間で満足な情報が得られず、不本意な選択をする家族もいる。

→ 1)〜5)のような状況があるため、「日常生活レベル」での情報を提供する場が必要。

それが患者家族の自律的な意思決定とその後のサポートをする環境になりうるだろう。

ということを発表しました。

〜具体的な仕組みの紹介〜

・活動形態(NPO)、メンバーについて(医療者+患者家族+エンジニア+弁護士等)

・システム概要(使い方や利用料金)

・進捗状況(システムの動作確認段階であること)

・使用目的(主に妊娠の家族と子育て期以降の家族を結びつけるマッチングシステムであること。妊娠期からの家族支援をすること。人工妊娠中絶を選択した、または選択する家族のサポートシステムにもすること。)

〜質疑応答〜

Q. ピアサポーターとなる人になんらかの条件を設けるのか?

Q. 医療者もサポーターとして登録するのか?

という質問がありました。

基本的には患者家族同士をつなげる仕組みなので、医療者は積極的にかかわらない仕組みを考えています。しかし、医学的整合性を担保するために、明らかにおかしな回答がないかをチェックする仕組みは設ける予定です。

ピアサポーターは、数が少ないうちは、顔の知れたメンバーでやることになりますが、ある程度利用される見込みがあれば、活動目的に賛同されるすべての家族に自由登録で御願いしようと考えています。

〜まとめ〜

サポートは、オンラインで完結するものではありません。

しかし、遺伝科のある病院を受診できる家族が非常に限られている現状や、患者同士が繋がりにくい現状を考えると、意義のある活動だと自負しています。

今回の発表において、質疑応答でもその後の交流でも、反対意見はでなかったので、引き続き活動していこうと考えています。



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